介護施設…色々あるけど何が違うの?(通所施設について・・・)

介護施設には入所施設(施設に入所し介助・支援を受けながら生活する場)と通所施設(自宅⇄施設を日帰りで通い介護サービスを受ける場所)があります。 今回は、通所施設についてどの様な施設があるのか?どの様な違いがあるのか?などお伝えしていきます。

入所施設についてはこちらをご覧ください。

通所施設とは・・・

施設に入所するのではなく、自宅から施設に通い日中の介護やリハビリテーションを行うことを目的とした施設です。
デイサービスセンター(通所介護)・通所リハビリテーション(デイケア)とも呼ばれています。

デイサービスセンター

デイサービス(通所介護)は、要介護状態になった利用者が持っている能力を可能な限り自宅で日常生活を営むことが出来るように生活能力の維持・向上を目指し必要な介護やリハビリテーションを受け、心身機能の維持や利用者家族の身体的精神的負担の軽減を図る目的で提供する介護施設です。

デイサービスでのサービス内容は、送迎車で自宅からデイサービスセンターへ行き、バイタル測定など健康状態の確認をした後、入浴、排泄、食事、機能訓練、集団体操、レクリエーションなどを行います。
余暇活動として(施設にもよりますが)書道、園芸、囲碁、将棋、ぬり絵、折り紙などが用意されている施設もあるので見学をする際にどのような事を行っている施設なのか?などを確認するといいですね。
また、外出レクや天気の良い日には職員同行で外へ出てお散歩をする施設などもあります。

自宅に閉じこもりがちな方も趣味を通して人と触れ合い孤独を防ぐことにつながるでしょう。

デイサービスを利用している間は、家族も自分の時間をもつことができます。毎日介護を行っている家族としては、休息の時間となるでしょう。

デイサービスは、通う場所であり宿泊することはできません。もしもデイサービスで宿泊を希望する場合は、「お泊りデイ」を検討しましょう。ただし、お泊りデイは介護保険を利用することができないため、全額自費サービスとなります。

(介護保険を利用した短期間の宿泊の場合は「ショートステイ」というサービスがあります。)

デイサービスを利用するには

デイサービスを利用するにはまず要介護認定を受けなければいけません。
  ※ 要介護認定 とはその人に介護が必要か、介護が必要な場合どの程度の介護が必要なのかを
   認定するものが「要介護認定」です。デイサービスを利用するためには、要介護認定が必要です。
   介護認定は、要介護1~要介護5までと、介護までは必要ない要支援1~2という7つの段階に
   分かれています。このうち、要介護1〜5が「介護給付」要支援が「予防給付」となっており、
   それぞれのレベルに応じて受けられるサービスが変わってきます。

要介護認定の申請は、市区町村役場の窓口や地域包括支援センターで行います。申請後は、1次判定と2次判定の2段階で審査が行われ、1次判定ではまず職員が自宅を訪問して、申請者本人や家族と面談して聞き取り調査を行います。主治医やかかりつけ医がいる場合は意見書を提出してもらい、それらをもとにしてコンピューターが7つのレベルに分類します。
2次判定では、1次判定の結果をもとに介護認定審査会という機関が審査を行います。この結果によって、要介護認定が承認されるか、承認される場合の要介護度はいくつなのかが判定されます。

要介護認定を受けてからデイサービスを利用するまで

・ケアプランの作成

要介護認定が下りデイサービスの利用条件を満たしたら、次は介護を受ける人の状況や環境に応じて、どのような支援が必要なのかというケアプランの作成に移ります。自分でケアプランを立てることもできますが、専門的知識が必要になるため、一般的にはケアマネージャーに作成を依頼します。

ケアプランはケアマネージャーが一方的に立てるものではなく、利用者や家族と話をし、どんな生活を送りたいか、どんなことで悩んでいるかなどの聞き取りを行ってプランを立てていきます。週に何回デイサービスに通うのか、そこではどんなことをするのかなどを具体的に決めていくのがケアプランです。

・事業所の選定

ケアプランが決まったら、そのサービスを受けられる事業所を選定します。デイサービスの他にも訪問介護やショートステイなどを利用することもありますので、サービス毎に事業所が異なる場合はそれぞれ契約を結ぶことになります。担当となるケアマネージャーが決まっている場合は、契約の段取りなどもケアマネージャーに任せられるので安心です。

利用する事業所が決まったら、ケアマネージャーから事業所に対して利用申込を行い、そこで担当者会議( ケアマネージャーや事業所の担当者などが集まり )が開かれ、サービスや利用者の情報についての共有や確認などが行われます。

・契約後にデイサービス利用開始

事業所との契約とケアプランの同意が終了したら、デイサービスの利用開始となります。

  • デイサービスに通いたいと思ってもすぐに利用できるわけではなく、要介護認定の申請などから始めなければならないため時間がかかります。
    利用者ご自身が「介護の必要」を感じたり要介護認定の申請」を行うということは少ないため、ご家族など周りで「介護が必要かも?」と感じたら、できるだけ早い段階から準備を進めておきましょう。

通所リハビリテーション

通所リハビリテーションは、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、利用者が通所リハビリテーションの施設(老人保健施設、病院、診療所など)に通い、食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで提供する施設になります。

病気やケガで入院した場合、医療機関で治療やリハビリテーションを受けることになりますが、医療保険を適用できるリハビリテーション期間は限られているため、退院後に介護保険のリハビリテーションを受ける事になります。専門的なリハビリを行い運動機能の回復を目指したり、自宅で療養生活を送る方が介護施設や医療施設に通うことで 医師の指示のもと国家資格を持ったリハビリ専門職によるリハビリを受けることができます。

ここでいうリハビリテーションとは、単に身体の機能回復だけにとどまらず、その人が心身ともに生き生きと明るく、自分らしい生活を送ることができるようにサポートすることをいいます。
そのため、身体機能の回復訓練だけでなく、食事や入浴といった日常生活の支援をしたり、レクレーションやゲームを通して身体機能を高めたりすることもあります。

要介護認定を受けている「要支援1~2、要介護1~5」までのすべての人が利用できます。要介護認定は基本的に65歳以上を対象としていますが、64歳以下で特定疾病を抱えている方の場合も「2号被保険者」として要介護認定の申請ができます。

通所リハビリテーションを利用するには

通所リハビリテーションを利用するには、要支援・要介護認定が必要です。まずは市区町村役場へ要介護認定の申請をしましょう。申請から約1ヶ月後に、認定結果が記載された介護保険証が届きます。その認定結果が「要支援」の方は、地域包括支援センターへ相談を。「要介護」の方は、居宅介護支援事業所へ相談し、どこのデイケアを利用するか決めましょう。

要介護高齢者を対象とし、医師の指示のもと国家資格を持ったリハビリ専門職によるリハビリを受けることができます。

近しい名称の「デイサービス」と比べると、デイケアはリハビリに特化してるといえるでしょう。また、医師や看護師、国家資格を持ったリハビリスタッフなどの医療従事者が多数配置されているという点も特徴的です。

要介護認定を受けてから通所リハビリテーションを利用するまで

介護(介護予防)サービスを利用する場合は、介護(介護予防)サービス計画書(ケアプラン)の作成が必要となります。「要支援1」「要支援2」の介護予防サービス計画書は地域包括支援センターに相談し、「要介護1」以上の介護サービス計画書は介護支援専門員(ケアマネジャー)のいる、県知事の指定を受けた居宅介護支援事業者(ケアプラン作成事業者)へ依頼します。

依頼を受けた介護支援専門員は、どのサービスをどう利用するか、本人や家族の希望、心身の状態を充分考慮して、介護サービス計画書を作成します。

事業所との契約とケアプランの同意が終了したら 、介護サービス計画にもとづいたさまざまなサービスが利用できます。

通所リハビリテーションで活躍する専門職

通所リハビリテーションでは、専門性を活かしたサービス提供を行います。医師が常勤し、リハビリの指示やリハビリで行う医療的ケアなどについて指示を出します。ただし、医師がいるからといって薬などを処方することはできません。
理学療法士(PT)作業療法士(OT)言語聴覚士(ST)は、リハビリを行う国家資格を持った専門職です。その方の身体状況に合わせて、適切な専門職がリハビリにあたります。リハビリを行うときには、「リハビリテ―ション計画書」内容に基づいて進めます。看護師、准看護師デイケアにおける血圧測定などの健康管理や、服薬の管理。また、医師の指示のもと医療的ケアやリハビリの補助を行います。介護職員デイケアにおける入浴介助、排せつ介助、食事介助など必要な介護を全般的に行います。また、レクリエーションの提供も介護職員が対応します。

・理学療法士(PT)
日常生活を送るために必要な、立つ・歩く・座るといった運動療法を中心に、筋肉や関節を動かす運動を通して、身体機能の回復を図ります
・作業療法士(OT)
学習や仕事の能力を高めるために、手先を使った手工芸・園芸などの活動をサポートしたり、入浴や食事といった動作のサポートを行います
・言語聴覚士(ST)
話す、聞く、発音するといった、コミュニケーションに関わる機能を回復させるほか、噛む、飲み込むといった、食べる機能回復のサポートを行います。

  • 必ず専門職とマンツーマンでリハビリを行うわけではない。
    施設によっては、1~2時間程度の短時間利用のところがあり、そこでは短時間にリハビリのみ集中的に行います。 施設によって異なりますが、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などのスタッフが1対1で行うのは20~30分程度で、それ以外は立案されたリハビリメニューを自分で行う自主トレーニングが多い場合もあります。
    利用時間中ずっと1対1の個別リハビリが受けられるわけではありません。施設見学時や契約時に個別のリハビリがどの程度してもらえるか、しっかり確認しておきましょう。

通所リハビリテーションとデイサービス、どちらを利用するか迷った時は・・・

通所リハビリテーションとデイサービスは一見すると似たようなサービスなので、どちらを利用するか迷う方がいます。通所リハビリテーションは、医療的ケアが必要な方や病院を退院したばかりで病院のリハビリを継続したい人にはオススメです。

もし迷った場合は、まず通所リハビリテーションを利用してみてデイサービスでの機能訓練でも対応できるまで機能回復をしたあとに、デイサービスに移行するのもよいでしょう。通所リハビリテーションは、デイサービスに比べると利用手続きに時間がかかるため時間的余裕をもって探すようにしましょう。

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