介護施設…色々あるけど何が違うの?(入所施設について・・・)

介護施設には入所施設(施設に入所し介助・支援を受けながら生活する場)と通所施設(自宅⇄施設を日帰りで通い介護サービスを受ける場所)があります。

今回は、入所施設(公的施設・民間施設)ついてどの様な施設があるのか?どの様な違いがあるのか?などお伝えしていきます。

通所施設についてはこちらをご覧ください。

公的施設とは…

医療法人や社会福祉法人などが運営している介護施設です。国が補助金を出して設立されていることから入居費用や月額利用料などが抑えられています。

公的施設の種類

  • 特別養護老人ホーム(特養)
  • 介護老人保健施設(老健)
  • 介護療養型医療施設
  • ケアハウス
  • 養護老人ホーム

・特別養護老人ホーム
特別養護老人ホーム(特養)は介護老人福祉施設とも呼ばれており、介護保険法に基づいて介護保険が適用される介護保険施設で日常生活の介護や機能訓練、レクリエーションといったサービスを受けられる施設です。


介護保険法改定に伴い 2015年4月からは入居申し込みが出来る者が原則として要介護認定3~5の方に限られるようになりました。(やむを得ない事情がある場合、要介護1~2の方でも特例として入居が認められる事があります)


比較的費用が安いため入所希望者が多く、申し込みをしても待機となりすぐに入所できないことがあります。

居室タイプは従来型とユニット型の2つのタイプがあり施設によって異なります。

・介護老人保健施設
介護老人保健施設(老健)は介護保険法に基づいて介護保険が適用される介護保険施設で、病気などで入院していた高齢者が退院後在宅復帰を目標に医師による医学的管理の下、看護・介護サービスや作業療法士・理学療法士等によるリハビリテーションを受けられる施設です。
医師が常駐している24時間看護師常駐というのも老健の特徴になります。

介護保険法による被保険者で入院治療の必要がない要介護認定1~5の方でリハビリが必要な方の入所が可能です。
(特定疾病により介護認定がおりている40歳~64歳の方の入所もできることになっています)

入所期間は原則3か月で、入所中に評価を行い在宅復帰が可能と判断されれば退所となります。
ただ、3カ月で在宅復帰可能と判断される事は少なく、長い方では1年前後入所されている方もいます。
退所した後も、通所リハビリに通われたりショートステイを利用しリハビリを続けることも可能です。

居室タイプは従来型とユニット型の2つのタイプがあり施設によって異なります。

従来型とユニット型 の違い・ ショートステイ とは

  
 従来型は、主に多床室になっており1部屋を数人で利用するのが中心です。食堂やリビングフロアなどは1フロアに1カ所しかない事が多いため大人数での利用になります。

 ユニット型は、全室個室になっており10人以下の少人数で1ユニット(1フロア)を利用します。
ユニットごとにリビングなど共有スペースが配置されているため他入居者様との交流もできます。個室であることから個人のプライバシーを守る事ができそれぞれの生活リズムを尊重した個別ケアが可能になります。

ショートステイ(短期入所生活介護)とは、短期的に入所し自立した日常生活を営むことができるように介護(入浴・排泄・食事)や機能訓練などを受けられるサービスです。
普段は自宅で介護を受けている高齢者でも短期的に施設へ入所し日常生活に関わる介護やリハビリなどを受けられるサービスです。

・介護療養型医療施設        
介護療養型医療施設は療養病床とも呼ばれる施設で、介護度の高い要介護者向けの施設になります。医療や看護に重点を置いたサービスが行われています。病状は安定していても自宅での療養生活は難しい方が入所し必要な医療サービス・介護・リハビリなどを受けることができます。

・ケアハウス
ケアハウスは、60歳以上で自立した生活はできるものの、”独立生活するには不安がある” ”身寄りのない高齢者” ”何らかの事情で家族からの支援や介護が受けられない高齢者”という人が利用する施設です。入居する際は、一人で生活していくことが困難であることがポイントになります。

・養護老人ホーム
養護老人ホームは、身体的、精神的、経済的な理由によって、自宅では生活できないと判断された場合に利用できる施設です。自立した生活を送ることができる高齢者のみ入居できます。

民間施設とは…

民間企業や医療法人などによって運営されている介護施設です。利用者様のニーズに合わせて幅広い介護サービスを受けることが出来き、価格帯も様々です。

民間施設の種類

  • 有料老人ホーム(介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム)
  • サービス付き高齢者向け住宅
  • グループホーム

・有料老人ホーム
有料老人ホームの主流となっているのは、介護付有料老人ホーム住宅型有料老人ホームがあります(その他、健康型有料老人ホームがありますが、身の回りのことを自分でこなせる自立状態の高齢者が家事サポートや食事等のサービスを受けられる施設になります )介護付有料老人ホームは24時間体制で介護ケアを受けられる、住宅型有料老人ホームは必要な介護サービスを選んで利用できるという点がメリットです。

  介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームは要介護のご高齢者が安心して暮らせるよう配慮された環境・設備を備え、食事の提供や生活相談などの生活援助サービスも提供している施設です。

さらに、入浴や着替え、排せつ時に行う身体介護サービスの提供も行っています。

自立の方から要介護5の方まで入れるところが多く、入居対象が広いため介護度が低い方の入居も可能です。

ただし、入居契約がホテルと同様の「利用権契約」が多く、サービス付き高齢者向け住宅の「賃貸借契約」と比較して居住の権利が弱いと言う側面もあります。

また、基本的に介護を提供する事を前提としているので、自立の方や軽介護の方には不向きな側面もあります。

サービスの充実度が大きな魅力

介護付き有料老人ホームは、24時間に渡って介護スタッフが常駐しているなど、介護サービスが非常に充実している点が特徴です。

自立している方から介護度が重い人まで幅広い方々が利用できるので、多くの高齢者をサポートしています。

民間企業が運営している特性上、サービスの幅や料金などは施設ごとに異なるので、自分に合った施設を探すことが可能です。

  住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームは、要支援・要介護の高齢者や介護認定のない高齢者の方が入所でき生活援助や食事サービス等が受けられ、介護が必要な場合は訪問介護・通所介護など外部の介護サービスを受けることができます。

・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
サービス付き高齢者向け住宅は、日常生活に不安がある高齢者が安心して暮らせるよう、介護保険と連携した住宅です。地域包括ケアシステムの中核として期待されています。
比較的介護度の低い方や自立している方が自宅で暮らしていくのが不安や困難になってきたときに利用される住宅です。居室にはキッチンやトイレ・浴室が付いている施設もあります。

・グループホーム
グループホームは、認知症を患っている高齢者が住み慣れた地域で少人数で共同生活するための施設です。医療依存度が高い方は入居することが難しく、また自傷・他傷を伴う認知症の場合は入居できないケースもあります。

認知症の方にとって生活しやすい環境と家庭的で安定した本人らしい生活を送ることができるように、食事の支度や掃除・洗濯などをスタッフと一緒に行うことで 穏やかに日常生活を送ることができます。

まとめ・・・

介護施設に家族の入所を考えている方、これから介護の仕事を始めようと考えている方などさまざまだと思います。
上記であげた施設以外にも細かく分けるとまだまだ施設はあります。
自分(家族)にあった施設を探す際、施設の見学をすることをお勧めします。
内装や建物内の清潔感、職員の紹介などがあるか?丁寧な説明をしてくれるか?など、安心して楽しく過ごしていくために事前に足を運ぶことをしましょう。家族の入所を考えている方の見学は何度行っても良いものです。
後で「こんなはずじゃなかった」などと後悔しない為にもしっかりと施設選びをしてください。

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